照会への回答トップページ > 調査研究 > 照会への回答 当協会にいただいた貿易手続関連のご質問のうち、皆様の参考となると考えられるものについて、ご質問の内容を質問者の特定や取引上の秘密が明らかになることのないよう一般化し掲載しています。ご注意:回答は回答時点における制度についての一般論であり、個別事案についてこの回答により行う一切の行為について、当協会は何ら責任を負うものではありません。Q:日本の工場で生産した部品をフランスへ輸出、販売しています。輸出先より「特恵原産資格を有する産品の長期サプライヤー宣誓」書類への記入、サインを要求されています。どの様に回答すべきですか。(2020年12月) フランスの輸出先から「特恵原産資格を有する産品の長期サプライヤー宣誓」書類への記入、サインを要求される理由としては、次のことが考えられます。 ① 当該部品の輸入に欧州の輸入者が日EU・EPAを利用していないこと。そして ② 欧州において当該部品は他の産品の生産に使用され、当該他の産品が我が国に日EU・EPAを利用して特恵輸入されること。 すなわち、日EU・EPAの特恵原産資格を有する産品でありながら、①当該部品の輸入時に原産資格を記載する「原産地に関する申告」がなかったため、②日本への輸出時に日EU・EPA第3.5条(累積)を適用するための証拠となる書面を必要としたものと考えられます。 したがって、当該部品に日EU・EPAの原産資格がある場合は、先方が求める「特恵原産資格を有する産品の長期サプライヤー宣誓」書類に記入、サインを行っても問題はないものと考えます。ただし、長期サプライヤー宣誓の提出は日本国の事業者にとって義務ではなく、先方への協力の観点からの自主的な提出になります。また、「長期」の場合、有効期限に注意してください。一旦提出すると、その期間中に欧州へ輸入される当該部品はすべて日EU・EPA原産品であると宣誓することになります。